ソフトバンクの千賀
(15日・プロ野球 ソフトバンク6―1楽天)
窮地で気合を入れ直した。2点リードの六回、二塁打や死球などで背負った1死満塁。ソフトバンクの千賀は、渾身(こんしん)の150キロの速球で代打内田を遊飛に仕留める。続く代打渡辺直は追い込んでからフォーク。空を切ったバットが、手元からすっぽ抜けるほど鋭く落ちた。
「とにかく、自分の力を思い切り出した。なんとか粘れた」。最大のピンチをしのぎ、自身3連勝をつかんだ。
4四死球。毎回のように走者を背負ったが、要所でギアを上げた。三回1死満塁では、4番ウィーラーにこの日最速の154キロを計測。犠飛の1点で切り抜けた。7回1失点にまとめて、打線の援護を呼び込んだ。
千賀にとって、楽天生命パーク宮城は「鬼門」だった。ここでのプロ通算成績は試合前の時点で、2勝2敗、防御率6・34と苦戦していた。「意識はしていないが、(苦手と)体が思うのかもしれない」。4月6日の楽天戦でも四回途中6失点と崩れた。この後、右ひじ周辺の張りのため、約1カ月間戦列を離れた。それだけに「前回もやられている。やり返したい」と気合は十分だった。
2戦続けて2桁だった奪三振の数は、六つと少なめだったが、苦手の仙台で役目を果たした。ほっとした表情を浮かべた右腕は言う。「投げる試合は良い投球をして、勝ちを持ってこられるようにしたい」(甲斐弘史)