北朝鮮の核・ミサイル問題に関する初の多国間外相会合が16日(日本時間17日)、カナダ・バンクーバーで開かれ、北朝鮮に対する制裁を厳しく強化していく方針で一致した。北朝鮮による密輸を防ぐため、船舶の貨物検査を強化することでも合意した。
会合を共催した米国とカナダの両外相が明らかにした。会合は朝鮮戦争の国連軍に部隊を派遣した16カ国に日本、韓国、インド、スウェーデンを加えた20カ国の外相らが参加した。
会合後の記者会見で、カナダのフリーランド外相は、韓国と北朝鮮で始まった対話を「良いこと」と評価しつつ、「北朝鮮の非核化の目標が達成されるまで、国際社会は引き続き核武装を阻止するために必要な措置を取る」と指摘。米国のティラーソン国務長官は「もし北朝鮮が交渉や話し合いに至る道筋を選ばなければ、『選択肢』のトリガーを引くことになるだろう」と軍事的手段の行使に含みを持たせた。
ティラーソン氏は会合の冒頭で、北朝鮮への「最大限の圧力」を強調。「我々の最終目標は、北朝鮮による違法な核・ミサイル開発の資金源を断つことだ」と語り、参加国に国連安全保障理事会の制裁の完全な履行を求めた。北朝鮮との対話の目的は「完全かつ検証可能で、後戻りできない非核化のためでなければならない」とも指摘。北朝鮮が公海上で別の外国船籍の船舶に積み荷を移し替えることが「国連安保理の制裁を弱体化させている」と危機感を示したうえで、北朝鮮の船舶への立ち入り検査を進め、密輸の取り締まりをする必要性を訴えた。
日本の河野太郎外相もティラー…