大阪市発注の水道工事 入札額のイメージ
大阪市が実施した2件の水道工事の入札で、参加業者のうち13~22社の入札額が等間隔で並んでいたことが、大阪市の調査でわかった。大阪市は「談合の事実は確認できなかった」としながらも、「不自然な点がある」として、業者に注意喚起することを決めた。
大阪市は、過去の水道工事の入札で10社以上の業者が等間隔の金額で入札しているとの情報を得て、今年に入って実施した工事1件の入札結果を調べた。契約課によると、50社超の業者が電子入札に参加し、うち13社の入札額が3万7千円の等間隔で並んでいたという。老朽化した水道管の入れ替え工事で、予定価格は1億円弱。落札候補はこの13社以外の業者だった。
昨年冬に入札を実施した別の水道工事についても調べたところ、この13社のうち12社を含む22社の入札額が3万3千円の等間隔で並び、このうちの1社が落札していたという。
こうした入札結果を踏まえて13社から聞き取り調査をしたが、いずれも「自社で積算した」などと業者間の事前調整を否定したという。各社の積算内訳書も調べたが、不自然な点は見つからなかったという。
大阪市は2月27日の公正入札調査委員会に調査結果を報告し、「談合の事実は確認できなかった」と結論づけたが、契約制度課は同日、13社を対象に公正な入札を求める注意喚起をすることを決めた。
業者を調べた契約課の担当者は朝日新聞の取材に対し、「これらの入札以外でも同じ業者群が等間隔で刻んでいる事例があり、不自然だと認識している。事前に調整していた疑いがぬぐえない」と述べた。等間隔の入札額については、「全社ではなく一部業者によるものなので判明しにくかった。こうした事例は珍しい」と話した。(五十嵐聖士郎)