アダルトビデオ(AV)出演の仕事を紹介したとして、警視庁は、会社役員の高木誠容疑者(31)=東京都大田区大森中3丁目=ら男4人を職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで逮捕し、1日発表した。高木容疑者は「AV女優にさせるための紹介ではなく、モデルになるためのアドバイスをしただけ」と容疑を否認し、3人は認めているという。
AVと言わずに勧誘「夢見させた」 元スカウトの手口
保安課によると、他に逮捕されたのは中野区と板橋区のいずれも当時19歳で現在21歳の2人と、目黒区目黒本町3丁目のAVプロダクション社員善麻(ぜんああさ)容疑者(35)。高木容疑者と元少年2人がスカウト役だったという。
逮捕容疑は2016年2月末、わいせつな行為をさせることを知りながら、当時19歳の専門学校生の女性を渋谷区内のAV制作会社に紹介したというもの。女性は出演を拒んだが、4人は「断ったら撮影代など莫大(ばくだい)な金を払ってもらうことになる」などと言って仕事を受けさせたという。映像は後日、販売された。
女性は15年7月、都内であったファッションモデルのオーディション会場で、AVへのスカウト目的で来ていた元少年の1人から「良いプロダクションを紹介する」と声をかけられたことがきっかけで高木容疑者らと知り合った。高木容疑者らは当初、「普通のモデル事務所だ」と偽っていたが、次第に「AV出演せずにモデルになる方法はない」「既に何千万という金が動いているから出ろ」などと強い口調で女性に迫ったという。(荒ちひろ)