(3日、鹿島1―0ガ大阪)
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圧倒的に攻め込みながらも、鹿島はゴールを割れない。スコアレスドローに終わった開幕の清水戦が頭をよぎる。じれる展開を打ち破ったのは、エースの金崎だった。後半33分、スローインからの右クロスを体ごとねじ込んだ。「なかなか入らなかったので、ホッとしました」
起点のスローインを奪った裏には、「鹿島の王様」小笠原がいた。敵陣のペナルティーエリア内でボールを持ったガ大阪のファビオを指さす。「高い位置からとれ」。金崎、鈴木の2トップが猛然と追いかけたために、ファビオのパスミスが生まれて、ボールは右サイドを割った。金崎は「(小笠原)満男さんがいると全然違う。守備の指示が明確」と感嘆する。
先発した小笠原にとって、昨年8月以来となるJ1のピッチだった。2009年のJ1MVPは来月には39歳を迎え、体力の衰えも見られる。ただ、勝負への執着心はすさまじい。今季初勝利にも、すぐに喜ぶことはなかった。ともに守備的MFを組んだ三竿健を呼び寄せて、マークミスを指摘していた。
常勝軍団は昨季終盤、失速して優勝を逃した。勝負強さを取り戻そうと、元日本代表DF内田をドイツから復帰させたが、右足の状態は万全ではない。この日ベンチを外れただけに、小笠原の存在は大きかった。
「王様」はベテランだけに、通年での計算は立たない。2年ぶりのJ1王者へ、どう起用するのか。興味がかき立てられる。(吉田純哉)
○大岩監督(鹿) ホーム開幕戦で今季初勝利。「何度か惜しい場面があって、やっと得点が決まってくれた」
○三竿健(鹿) 「(小笠原)満男さんがいるだけでチームが落ち着く。存在感があった」