違法に販売されていたフィラリア症の予防薬(関係者提供)
犬や猫が感染する寄生虫病「フィラリア症」の予防薬を、診察せずに郵送で違法販売したとして、大阪府警は6日、同府東大阪市の男性獣医師(48)を獣医師法違反と医薬品医療機器法違反(無許可販売)の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。府の行政指導を受けたにもかかわらず販売を再開しており、府警は悪質と判断した。
捜査関係者によると、獣医師は昨年3月以降、診察をすることなく、府の許可も得ずにフィラリア症の予防薬54錠を5人の客に計約3万1千円で販売した疑いがある。任意の事情聴取に「動物病院の経営が苦しかった。もうけたかった」と容疑を認めているという。全国の飼い主に違法販売を繰り返したとされ、少なくとも十数万円の売り上げがあったとみられる。
獣医師はインターネットのサイトで「激安通販 フィラリア予防薬」などとうたい、購入者には宅配便で送っていた。府が2016年7月ごろ、獣医師に販売をやめるように行政指導してサイトは閉鎖されたが、昨年3月から以前に販売したことがある客に「ご愛顧いただいた方限定に、予防薬を激安で提供します」「通常の55%OFF」などとメールを送り、再び購入を呼びかけていたという。
府警は昨年9月、獣医師が経営する動物病院を医薬品医療機器法違反容疑で家宅捜索。同月、獣医師は朝日新聞の取材に「何も話せない」としていた。
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