佐川宣寿国税庁長官の辞任を受けて記者会見する麻生太郎財務相=9日午後8時7分、東京・霞が関、関田航撮影
麻生財務相の会見での主なやりとりは次の通り。
麻生財務相が会見、佐川長官辞任を説明
――佐川氏の国税庁長官起用は適材適所だという答弁を国会で述べてきた。起用責任をどうお考えか。
「国税分野の豊富な経験に照らして適任だと判断している。他方、国会審議の混乱を招いた、行政文書の管理状況について指摘を受けている、さらに今取りざたされている決裁文書の提出時の担当局長だったので辞職したいと本人から申し出があり、退職となった」
――佐川氏は自分に責任があったと。
「色々お騒がせしているとか、丁寧さを欠いたと本人が言っていて、責任を感じていることは理解するが、少なくとも国税庁長官として不適任だったという意識は私にはない」
――大臣の責任は。
「理財局長時代もきちんと仕事をした。適任な人を信任したと思っている」
――佐川氏の辞任、減給の理由は。
「今回取りざたされている決裁文書の国会提出時の担当局長で、行政文書の管理状況などについて管理不行き届きだったのではないかとの指摘を受けていた。その点が一番大きな理由になったと思う」
――減給処分は今日決めて出したのか。
「今日だ。法務省など過去に似た例があり、減給2カ月とか10%とかいう例があったので、ある程度合わさせた」
――辞意と減給の決定とどっちが先か。
「辞めるのを決めたのが先。減給処分については、辞めた理由に行政の信頼を損ねたとかいろんな点があったので、その点を考えれば減給20%ぐらいが適当かなと判断させて頂いた」
――大臣の進退は。
「いま特に考えているわけではない」
――佐川氏が任期を全うせず辞める。
「正直、残念だという気持ちがある。極めて有能だし真面目だと思っていた」
――近畿財務局の方が自殺された。大臣としてどう受け止めているか。
「近畿財務局の職員が亡くなられたことに関しては、非常に残念に思います」