2014年の都知事選後、運動員に報酬を支払ったとして公職選挙法違反(買収)の罪に問われた元航空幕僚長・田母神俊雄被告(69)の控訴審判決が13日、東京高裁であった。青柳勤裁判長は「一審の事実認定に不合理な点はない」と述べ、懲役1年10カ月執行猶予5年とした一審・東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
青柳裁判長は多額の現金供与について「被告の了承なく可能だったとみるのは、常識的に考えて不自然」と指摘。「一審では審理が尽くされずに共謀が認定された」とする被告側の無罪主張を退けた。
田母神被告は判決後、「判決は非常に不本意。なぜ主張が受け入れられないのかを十分に検討し、今後の方針を検討したい」とコメントを出した。
判決によると、田母神被告は知事選後の14年3~5月、元選挙対策本部事務局長(71)=有罪判決が確定=と元出納責任者(59)=同=と共謀し、運動員5人に計280万円を配ったほか、元出納責任者と共謀して元事務局長に200万円を渡した。(藤原学思)