2014年の東京都知事選に立候補して落選した元航空幕僚長・田母神俊雄被告(69)=控訴中=らによる公職選挙法違反事件で、東京地裁は24日、同法違反(買収、被買収)の罪に問われた元選挙対策本部事務局長・島本順光(のぶてる)被告(70)に対し、懲役2年執行猶予5年、追徴金200万円(求刑懲役2年、追徴金200万円)の判決を言い渡した。
判決によると、島本被告は14年3~5月、田母神氏らと共謀して運動員6人に計295万円を渡し、自らも報酬として200万円を受け取った。家令和典裁判長は「首謀者として、民主主義の根幹である選挙の公正さに大きな疑念を抱かせた」と非難した。
弁護側は「報酬は選挙期間外の活動に対するものだ」と一貫して無罪を主張していた。だが、家令裁判長は「そうした内容で田母神氏らと合意した事実はなく、後付けの弁解に過ぎない」と退けた。一方で「保釈まで相当の期間身柄を拘束された」として、執行猶予を付けた。
この事件では10人が起訴され、これで略式命令を受けた1人を含め全員に有罪判決が言い渡された。田母神氏は懲役1年10カ月執行猶予5年の判決を不服として控訴している。(藤原学思)