米全店の閉鎖・売却に追い込まれたトイザラス=米ニューヨーク市、江渕崇撮影
経営再建中の米おもちゃ販売大手トイザラスは15日、米国事業を清算し、735店すべてを閉鎖か売却する方針だと発表した。米破産裁判所に計画を認めるよう申し立てた。カナダや欧州、アジアの事業も売却を探るとしている。
米トイザラス、近く事業清算か 債権者らと協議難航
米トイザラスは昨年9月、総額約50億ドル(約5300億円)の負債を抱え、米国とカナダの事業を対象に、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。債務減免などによる再建の道を探ってきたが、年末商戦が不調に終わり、債権者らとの協議が行き詰まった。
ただ、米国内の店舗のうち業績の良い約200店については、カナダ事業と一緒に売却することで存続させたい考えだ。複数の買い手候補と交渉中という。
デーブ・ブランドン最高経営責任者(CEO)は「この結末は極めて残念だが、米国事業を続けるための金融支援を受けられなくなった」と説明。「我々が70年にわたり尽くしてきた数百万の子どもと家族にとっても、深く悲しい日だ」と述べた。
米トイザラスはウォルマートやターゲットなど大型量販店の安値攻勢と、アマゾンなどネット通販の急伸に挟み撃ちにされ、業績が落ち込んでいた。動画やゲームのネット配信が普及したことも向かい風だった。(ニューヨーク=江渕崇)
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日本で約160店を展開する「日本トイザらス」は、「アジアの親会社の売却先が決まるまでは、通常通り営業を続けていく」(広報)としている。日本法人は、アジアを管轄する合弁会社「トイザらス・アジア・リミテッド」の子会社で、米トイザラスが合弁会社の85%の株式を保有している。