マリ戦を前に選手に話をするハリルホジッチ監督(中央右)=長島一浩撮影
サッカー日本代表(世界ランク55位)は23日(日本時間午後9時20分開始)、ベルギー・リエージュでマリ代表(同67位)と国際親善試合を行う。ワールドカップ(W杯)ロシア大会を3カ月後に控えてなお、ハリルホジッチ監督は多くの選手に出場機会を与える考えだ。このチャンスを、つかむのは誰か――。
宇佐美・中島・本田、試される「得点力」 今夜マリ戦
吉田(サウサンプトン)がケガで不参加の最終ラインでは、DF昌子(鹿島)に出番が回ってきた。W杯アジア最終予選の終盤でいったん定位置をつかみかけたが、昨年11月にブラジル、ベルギーと戦った欧州遠征は出場がなかった。
周囲の選手が変わる中、持ち前の統率力を発揮できるかがカギになる。「的確な声を出し、味方と連係をして守る。ピッチ上で一番うるさいくらいでもいい」と意気込みを語る。「W杯イヤー一発目の試合で無失点に抑え、チームに勝ち癖をつけたい。チームを勝たせられる選手が求められるだろうから」と話す。
MF大島(川崎)もチャンスをつかみたい一人だ。ケガで代表選出を逃したことも多く、昨年12月のE―1東アジア選手権は負傷離脱。韓国戦に出られず、力のある相手にどこまで自分の力を発揮できるかは未知数だ。中盤では森岡(アンデルレヒト)や柴崎(ヘタフェ)も、これまでのチャンスではアピールしきれていない。
前線は復帰した宇佐美(デュッセルドルフ)、初選出の中島(ポルティモネンセ)らが、好機をどれだけ作り出せるか。半年ぶりに呼ばれた本田(パチューカ)も、改めて日本代表のサッカーに適合するのかが試される。
W杯の1次リーグ第2戦で当たるセネガルを想定したマリだが、どこまでアフリカ勢対策となるかは微妙だ。実際、「主力も数人おらず、私の知るマリよりパワーが少ない」(ハリルホジッチ監督)、「世界に出たら、どの相手でも身体的には強い」(FW杉本)との声もある。「仮想セネガル」よりも、今後のメンバー選考に向けた意味合いが強い一戦になりそうだ。
ハリルホジッチ監督は「さらに厳しい競争を作り出してほしい」と話す。6人の交代枠もフル活用し、選手をふるいにかける。(藤木健)