力投する智弁和歌山の投手池田=内田光撮影
(25日、選抜高校野球 智弁和歌山4―2富山商)
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智弁和歌山・池田陽佑
エースは体調不良で投げられず、伝統の強力打線も湿り気味の智弁和歌山。先発の小堀もつかまった。五回、同点に追いつかれ、なお2死一塁。背番号18の2年生池田陽佑が、金言を胸にマウンドに走った。
「びびるな、攻めろ」。背番号1の平田がくれた言葉だ。そして、先輩はこう続けた。「次の試合は(自分が)投げたい」。負けるわけにはいかない。気が引き締まった。
同じ180センチ台の長身右腕として、平田に心酔している。冬は毎日、ペアを組んで遠投した。40メートルでも80メートルでも、強い球がきちんと胸に飛んでくる。投げっぷりに、ほれ込んだ。
ピンチのときこそ、内角の直球で勝負。これも先輩のマネだ。ときには本人から「ウザキャラ」とからかわれるけど、同じ投球スタイルで、走者を背負っても得点を許さなかった。
八回には決勝の中前適時打を放ち、投打で主役に。お立ち台に呼ばれ、笑みが絶えない。「次は先発で勝てる投手になりたい」。憧れの先輩を追い越す欲も出てきた。(小俣勇貴)
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○高嶋監督(和) 監督として甲子園通算65勝。「何とも思いません。選手が一生懸命やってくれた。そのたまものです」
○文元(和) 主将は三回に同点適時打を放つなど2安打。「そんなに良い当たりでもなかったけど、何とかしたいという気持ちが結果につながった」
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選抜大会で智弁和歌山の勝利は7年ぶり。高嶋監督は甲子園で春夏通算65勝目。