不世出のシャンソン歌手エディット・ピアフ(1915~63)の生涯を「無償の愛」の主旋律で紡ぐ、美輪明宏による作・演出・主演の舞台「愛の讃歌(さんか)~エディット・ピアフ物語~」が31日から、東京・初台の新国立劇場中劇場で上演される。美輪は「ピアフは人生を360度経験したオールラウンドプレーヤー。本当の愛の姿を披露します」と話す。
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美輪は「黒蜥蜴(とかげ)」「双頭の鷲(わし)」「椿姫」など一定の舞台を重演し、練り込んできた。「愛の讃歌」は79年に初演。「愛の本質を描く点で、私の舞台の中で1位を占めます」
フランスで貧困からはいあがり、歌手として台頭する姿。名曲「愛の讃歌」の誕生を導くも飛行機事故死したプロボクサーのマルセル・セルダンとの永遠の愛。晩年にめぐりあい、愛し合った21歳年下の美青年テオ・サラポとの深い絆。「一流の文化人との交流も深く、ピアフは知的な存在でもあった」。アールデコ調や柔和な色調に彩られた舞台装置を配し、全編、愛ゆえの喜悦、熱情、哀切、絶望が渦巻き、「無償の愛」が神々しく浮かび上がってくる。劇中、美輪が歌う「愛の讃歌」は圧巻だ。
ピアフの人生は、美輪のそれに…