事件のあった民家(右)周辺では、7日も警察が出入りを規制していた=2018年4月7日午前8時31分、鹿児島県日置市、菅原普撮影
鹿児島県日置(ひおき)市東市来(いちき)町湯田の民家で6日午後、男女3人の遺体が見つかった殺人事件で、鹿児島県警は7日、近くに住む無職、岩倉知広容疑者(38)を男性への殺人容疑で逮捕し、発表した。岩倉容疑者は民家に住む岩倉久子さん(89)の孫で、民家で同居する次男(68)の息子。岩倉容疑者は「間違いありません」と容疑を認め、残る女性2人についての殺害もほのめかしているという。久子さんと次男の行方は分かっていない。
鹿児島3人殺害、被害者は姉妹ら 住民ら2人行方不明
県警によると、岩倉容疑者は6日午後3時9分~25分の間、久子さん方で、近くに住む職業不詳、後藤広幸さん(47)の首を絞めるなどして殺害した疑いがある。6日午後7時ごろ、岩倉容疑者が日置市内を1人で歩いているのを捜査員が発見し、任意同行して事情を聴いていた。
事件は6日午後3時45分ごろ、通報を受けた警察官が民家で、3人の遺体を見つけて発覚した。その後の調べで、遺体は久子さんの長男の妻の岩倉孝子さん(69)=鹿児島県薩摩川内(せんだい)市天辰町=、孝子さんの姉の坂口訓子(くにこ)さん(72)=同市平佐町=、長男の知人の後藤さんの3人と判明した。県警によると、3人は久子さんや次男の安否確認のために民家を訪れた際に、事件に巻き込まれたとみられる。
6日正午ごろ、次男の勤務先から長男に「数日間出勤していない」と連絡があった。県外にいた長男は約30分後、孝子さんに電話で民家へ確認に行くよう依頼。坂口さんも同行したとみられる。長男は孝子さんとも連絡が取れなくなったことから、後藤さんに午後2時20分ごろ、安否確認を頼んだという。
しかし、後藤さんとも連絡がつかなくなったため、長男は午後2時50分ごろ、「弟や妻、知人と連絡が取れない」と日置署に通報し、駆けつけた警察官が遺体を発見した。玄関近くの部屋の床で孝子さんと坂口さんが倒れ、少し離れた部屋の床に後藤さんが倒れていたという。発見時、孝子さんと坂口さんはすでに死亡しており、後藤さんは心肺停止状態だった。
後藤さんに殴られた痕があるなど3人の遺体に外傷があったことなどから、県警は殺人事件と断定して捜査を開始。何らかの事情を知っているとみて、岩倉容疑者を捜していた。7日早朝には、孝子さんの車が現場近くで発見された。