新たに日本代表監督に就任した西野氏
サッカー日本代表の監督に就任してからの初取材。西野朗(あきら)・新監督(63)はまず謝罪から切り出した。
「まずもって、みなさん、すみません。昨日、一昨日と姿を現さず、申し訳ありません」
スラックスに、真っ白なシャツ。そして、笑顔があった。10日夕刻、西野新監督は日本サッカー協会(JFA)の記者室にさわやかに現れた。この日は各カテゴリー代表のスタッフが集まる会議があった。12日には就任会見が控えるなか、「コーチ会議が終わったんで、顔出して、あいさつだけでも、と思って」と話した。律義な性格がうがかえた。
ハリルホジッチ前監督については、技術委員長という立場で支えた。だが、成績不振で前監督が解任となり、田嶋幸三会長から4日に監督就任の打診を受けた。「ためらいましたけど、最後の責任はこういう場で果たしたいなという覚悟を持っていたので、受けさせてもらった」。8分間の取材で「覚悟」という言葉を3度使った。
チーム作りの指針も語った。「バヒド(ハリルホジッチ)が求めたのは強さ、速さ、推進力。それになかなか追いつかなかった」と前体制を総括。日本人の持つ技術、規律、組織力を生かしたチーム作りを進めていく。「ないものを求めるよりも、積み上げてきたものを良くしていく。そこで勝負していく方が早いかもしれない」と大幅な方針転換をほのめかした。選手選考などにどこまで影響するのか。新監督のタクトに注目が集まる。(吉田純哉)