後半、名古屋のジョー(右)と競り合う鹿島の昌子=長島一浩撮影
(14日、鹿島2―0名古屋)
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4試合ぶりとなる勝利の代償だ。その声はがらがらでかれていた。「のどが痛いわ。久々にいっぱい声出した気がするわ」。最終ラインから声を張りあげた鹿島の昌子は報道陣に囲まれると、笑顔で切り出した。
大物FWに仕事をさせず、今季5試合目の無失点となった。4年前のW杯にも出場した名古屋の元ブラジル代表FWジョーをシュート1本に封じた。ペナルティーエリア内で192センチの上背からヘディングされても、体をぶつけて、自由にさせなかった。連戦により、3試合ぶりにピッチに立った日本代表DFは「いい選手とやれて楽しかった。自分も成長できる」。
鹿島は日本代表候補を何人も抱えている。W杯へ行けるのは誰か、選考は新監督の就任で一層あいまいになった。クラブでのプレーの意味合いも変わる。
「チャンスが広がったのはあるでしょう。試合に出れば、見てくれる」と内田は言った。前回W杯では不動の右サイドバックだった。右足の違和感から7試合ぶりに復帰したこの日は、前半5分、果敢に攻め上がり、絶妙なクロスを上げた。
昨年12月の東アジアE―1選手権から呼ばれていなかった金崎は今季初となる2得点。前半10分には左クロスを体ごと押し込んだ。
常連組の昌子は危機感を口にする。「クラブで結果を出さないと、俺も代表に選ばれないから」。電撃的な代表監督の交代が、苦しんでいた鹿島を刺激した。(吉田純哉)
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○大岩監督(鹿) 4試合ぶりの白星。「複数得点は非常に評価していい。試合前から『やることをはっきりしよう、原点に立ち返ろう』と話していた」
○内田(鹿) 右足の違和感から7試合ぶりに復帰。「試合に出れば、(日本代表の西野新監督も)見てくれる」
○金崎(鹿) 2得点。「結果が出ていなかったので、自分が点を決めたことよりも、チームが勝ったことが一番大きい」