台湾戦の1番手で逆転勝ちした張本智和
(1日、卓球・世界選手権団体戦 日本3―0台湾)
前夜の初黒星を引きずったまま、日本男子の先陣を託された張本智和は台湾戦のコートに立った。「試合前まで不安だった」。第1ゲームは4―11で、相手エースの荘智淵に得意のバックハンドを封じられた。
だが、ここで切り替えられるのが史上最年少の14歳で全日本王者になれたゆえんだ。「(0―3の完敗だった)昨日ほど、やばくない。思い切っていこう」。台の近くでフォアハンドをフルスイングする本来の卓球を取り戻し、続く3ゲームを連取して勝利。悪い流れを断ち切った。
2番手の水谷隼も続いた。「本来のプレーとはほど遠い」と語ったものの、中陣からの力強い攻めで3―0のストレート勝ち。前夜の敗戦後、ホテルに戻って倉嶋洋介監督に「心も体もボロボロです」と言った。だが「隼しかいないから、出て負けたらしょうがない」と言われた。水谷は「自分が日本のために頑張る。そのためにここに来ている」。自らを奮い立たせた。
二枚看板が復調の兆しを見せ、2位で決勝トーナメント進出。倉嶋監督は「流れも変わったような感じがする。良い一戦だった。まだ僕らは倒れたわけではない」と前を向いた。(前田大輔)