北朝鮮に拘束され、ポンペオ米国務長官の訪朝にあわせて解放された米国人3人は米国に戻る途上の9日夜、「我々の帰国について、米政府、トランプ大統領、ポンペオ国務長官、そして米国民の皆さんに深く感謝する」という共同声明を国務省を通じて発表した。
米国人3人解放、米朝会談の環境整備か 非核化は深い溝
解放されたのは、牧師のキム・ドンチョル氏、平壌科学技術大学の会計学教授キム・サンドク氏、同大学運営関係者のキム・ハクソン氏。
3人の解放についてトランプ氏は9日、記者団に対し、「だれも起きうるとは思っていなかった。もし実現するとしても数年または数十年かかると考えられていた」と自らの成果を誇示した上で、「彼らの解放を許可した金正恩(キムジョンウン)氏(朝鮮労働党委員長)に感謝したい」と語った。
また、7、8日に中国・大連で開かれた中朝首脳会談にも言及し、「習近平(シーチンピン)国家主席はとても手助けしてくれた」と謝意を述べた。米朝首脳会談の見通しについては「とても成功したディール(取引)になるだろう」と前向きな姿勢を示した。
ポンペオ氏と米国人3人を乗せた飛行機は10日午前2時(米国東部時間)、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着する。トランプ氏も出迎える予定だ。トランプ氏は9日夕、「人質の人たち(もはや違うけど)にあいさつすることを楽しみにしている」とツイートした。(ワシントン=園田耕司)