マカオで始まったカジノ産業の展示会「アジア国際娯楽展」で説明する出展企業の女性=5月15日、益満雄一郎撮影
世界最大級のカジノの街マカオで15日、世界のカジノ産業の展示会「アジア国際娯楽展」が3日間の日程で始まった。日本で4月にカジノを含む統合型リゾート(IR)の実施法案が閣議決定されたのを受け、海外のカジノ業界で日本の市場開放への期待が高まっている。
「日本を私たちはどうやって手に入れるか」。マカオでカジノを運営する大手の「メルコ・インターナショナル」のローレンス・ホー会長は基調講演で、日本市場への期待の高さをうかがわせる表現を第一声に選んだ。
ホー氏はその理由に海外からの観光客の多さなどをあげた。香港メディアによれば、同社はマカオで過去に投資した100億ドル(約1兆900億円)に匹敵する資金を日本にも投資する考えだという。
海外のカジノ業界が日本に期待を寄せる背景には、21兆円の市場規模があるパチンコに加え、競馬や競輪、競艇などの存在がある。業界では、日本人はギャンブル好きとみられており、日本などをテーマにしたこの日の討論会でも、登壇したカジノ関係者から「日本のパチンコ市場はラスベガスのカジノの売り上げよりも大きい」などの期待が相次いだ。
一方、日本政府は今国会でIR実施法案の成立をめざしているが、公明党を中心に与党内にも慎重論があることなどから、成立は不透明な情勢となっている。(マカオ=益満雄一郎)