師匠の杉本昌隆七段(左)らと局面を検討する藤井聡太七段(中央)=2018年5月30日午後、名古屋市中区の万松寺、吉本美奈子撮影
将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(15)が30日、第76期将棋名人戦七番勝負第5局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、亀岳林万松寺協力)が行われている名古屋市中区の万松寺を訪れた。佐藤天彦名人(30)と挑戦者の羽生善治竜王(47)が繰り広げる攻防を、師匠の杉本昌隆七段(49)らと共に見守った。
将棋名人戦の熱戦をタイムラインで
【特集】藤井聡太 名人への道
愛知県瀬戸市在住の藤井七段は、名古屋市内の高校に通っている。この日は、授業の後に万松寺に駆けつけた。名人戦の対局場に来るのは初めてだ。「地元でタイトル戦が行われるのは特別。来るのを楽しみにしていた」と話す。
名人戦で挑戦者になるには、五つのクラスがある順位戦で徐々にクラスを上げて、最上位のA級で優勝する必要がある。藤井七段は下から二つ目のC級1組に所属し、今年度はB級2組への昇級を目指す。「名人は将棋界で最も歴史のあるタイトル。そこを目指す気持ちはある。長い道のりだが、頂点を目指して一歩一歩上っていけたら」
対局室とは別の建物にある「検討室」で、副立会人を務める杉本七段らの研究に参加。「ちょっと羽生竜王が厳しいかな、と思います」。佐藤名人がリードしているとの認識を示した。(村瀬信也)