19日のコロンビア戦でボールを追う岡崎⑨=ロシア・サランスク、関田航撮影
サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で24日(日本時間25日午前0時)、セネガル戦に挑む日本代表。その「走り」を支えるスペシャリストがいる。陸上短距離の元五輪選手たち。独自の知識と経験で走力を強化してきた。
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初戦のコロンビア戦に途中出場した岡崎慎司(32)は13年前、高卒でJリーグ清水に入団した際、チームのフィジカルコーチだった法政大の杉本龍勇(たつお)教授(47)に声をかけた。
「足が速くなりたいんです」
杉本さんは陸上100メートルで五輪出場経験がある。「最初の印象は最悪。そもそも運動センスがなかった。プロで生き残れるか本気で心配した」と杉本さんは当時を振り返る。だが、誰よりも指導を求めてくる熱意が岡崎にはあった。杉本さんと地道なトレーニングが始まった。
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杉本さんが目指すのは「思い通りに体を動かせるようになること」。トレーニングでは、ひざを上げる高さまで細かく意識させる。杉本さん自身が、陸上選手時代、留学先で「お前がカール・ルイスと同じ体の動かし方ができたら9秒台が出せる」と言われ、独学を重ねた経験が原点にある。
指導の成果もあり、岡崎は急成長。2011年にはドイツに移籍し、イングランドのプレミアリーグでは優勝の立役者にもなった。海外移籍後も杉本さんには「専属トレーナー」として指導の依頼があり、年4~5回の直接指導に加え、LINEでもやりとりを重ねる。
岡崎は「足が速くなっただけでなく、運動神経がよくなった」と手応えを口にしたという。「それが狙いだったんです」と杉本さん。足の調子が十分ではないとされながら、コロンビア戦に途中出場。「それだけ監督が期待しているのだろう。ベストな状態の時と同じ質のプレーはできていた。それが責任感の強さでもある」と2戦目の活躍に期待する。
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