後半、同点ゴールを決め岡崎⑨に祝福される本田④=関田航撮影
(24日、日本2―2セネガル サッカー・ワールドカップ)
取られたら、取り返す。西野監督の信条は、派手な打ち合いも辞さない攻撃サッカー。攻めの采配が、2度のリードを許した日本に下を向かせなかった。
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1―2とされたのは後半26分。そこから4分間で、立て続けに反撃のカードを切った。
まず動きの落ちたトップ下の香川に代えて本田。さらに、右MFの原口を下げてFW岡崎を入れた。同時に本田を右に回し、前線は大迫と岡崎の2トップへ。布陣も変え、セネガルの混乱を招いた。
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すぐに結果が出る。後半33分。大迫が相手GKとDFの間に入れたクロスへ、岡崎が猛然と突っ込んだ。GKと交錯し、ボールは左へ流れた。追いついた乾が折り返し、最後は本田が左足で押し込んだ。
岡崎は言う。「相手目線で言えば、単純に人数が増えたような感覚になったと思う」。2トップになって最初に作ったチャンス。交代した2人が絡み、逃さなかった。
追いついた後も、西野監督は「オフェンシブなメッセージを送り続けた」。最終盤、守備を締める交代策も検討したが、選んだのはFW宇佐美だった。
強気な姿勢は後方の選手にも伝わった。DF昌子は、「多少のリスクは背負っても大丈夫なやり方を考えた」。長身選手にロングボールを入れる形を取ってきたセネガルに対し、1人がしっかり競り、こぼれ球を渡さない。そうした対処を吉田や長谷部と徹底。プレーがはっきりし、危ない場面を作られなかった。
攻める姿勢を貫く指揮官に、選手も応えて得た勝ち点1。3戦目、日本は引き分け以上で決勝トーナメントに進める。西野監督は「(1次リーグH組の)トップ通過を考えたい」。勢いを緩めず、強気のまま進む。(藤木健)