財務省は23日、金融危機時に米ドルを融通し合うタイとの二国間通貨スワップ協定を改正し、ドルだけでなく日本円も引き出せるようにしたと発表した。
円を融通できるようにしたのはフィリピン、シンガポールに続いて3カ国目。中国に対抗し、日本企業の進出が進む東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で円の利便性を向上させて存在感を高める狙いがある。
日本は昨年5月、危機に陥った国が自国の通貨と引き換えに、相手国から30億ドルまで引き出せるようにする二国間協定をタイと締結。並行してタイが要望すれば円建ての取引もできるよう、交渉を進めてきた。
財務省は現在、インドネシアとも交渉を進めており、早ければ今秋にも合意する見通しだという。(伊藤舞虹)