熱中症対策のために冷房や扇風機を使ってもらおうと、九州電力は23日、特定の料金プランを契約し、お年寄りがいる家庭の8、9月分の電気料金を1割引きにすると発表した。同社は「全国でも初めての取り組みだと思う」としている。
どうすればいい熱中症対策 どう防ぐ、なったらどう対応
対象は75歳以上がおり、九電の「スマートファミリープラン」で契約する家庭。再生可能エネルギーの普及拡大の名目で各家庭に上乗せされている賦課金をのぞく電気料金の1割分を割り引く。8月31日までに電話での申し込みが必要。8月分の検針日を過ぎると9月分しか割引が適用されないため、九電は7月中に申し込むように勧めている。従来の料金プラン「従量電灯B」で契約する家庭も、電話でプランを変更すれば割引を受けられる。
「スマートファミリープラン」は電気の使用量が多い家庭の料金が安くなるプランで、2016年4月の家庭向け電力小売り自由化にあわせて新設された。現在の契約数は、家庭用のうち1割弱の約50万件。契約を2年間継続すればよりお得になり、新電力への流出を防げる面もあるため九電は拡大に力を入れている。ただ、今回の取り組みは「あくまで社会貢献」(同社幹部)で、プランの普及のためではないとしている。(山下裕志)