将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)が28日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた第49期新人王戦(しんぶん赤旗主催)の対局で、八代弥(やしろわたる)六段(24)に132手で勝ち、8強入りを決めた。
対局は午前10時に始まり、午後6時11分に終局した。朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)で、藤井七段は2017年度の第11回で、八代六段は16年度の第10回で、それぞれ優勝。本局は朝日杯優勝経験者同士の好カードだった。
終局後のインタビューで、藤井七段は「早い段階で苦しくしてしまったかなと思っていました。ずっと攻められて苦しい展開が続いたんですが、最後に攻め合いになったあたりから徐々に難しくなった気がしました。最後の最後まで、きわどい局面が続きました」、敗れた八代六段は「均衡が崩れたのが、どの箇所か、すぐには、ちょっと分からない」と話した。
藤井七段は高校生になって最初の夏休み中で、「少し時間が出来たので、これまで以上に将棋に打ち込めたら」と話した。
新人王戦は若手棋士の登竜門で、羽生善治(はぶよしはる)竜王(47)、渡辺明棋王(34)、佐藤天彦(あまひこ)名人(30)、菅井竜也(たつや)王位(26)らが優勝してきた。新人王戦の参加資格には「六段以下」という項目があるため、18年に四段から七段に連続昇段した藤井七段にとって、今期は「新人王」になる最後のチャンスだ。「新人王戦は最後の機会になりますので、少しでも上を見据えて頑張りたいと思います」と藤井七段。次の準々決勝で近藤誠也五段(22)と対戦する。(佐藤圭司)