第100回全国高校野球選手権記念岡山大会(県高野連、朝日新聞社主催)の決勝が30日、倉敷市のマスカットスタジアムであり、創志学園が10―2で岡山学芸館を破り、2年ぶり2回目の夏の甲子園出場を果たした。甲子園大会は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で8月5日に開幕する。
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帽子飛ぶ力投 喜び爆発 創志学園 西純矢君
九回裏1死一塁で迎えた打者を邪飛に打ち取り、スコアボードに二つ目のアウトカウントがともると、創志学園の先発、西純矢君(2年)はマウンド上で雄たけびを上げた。
スコアは10―2。「点差が開いている。一つ一つアウトを取るだけ」と焦りは感じていなかった。
次打者にフルカウントまで粘られた後の9球目、外角低めに直球を投げた。バットは空を切り、ゲームセット。西君は右手を空高く突き上げ、喜びを爆発させた。
「気持ちを前面に出した」。そう語る通り、西君は帽子を何度も飛ばして力投。アウトを一つ取るたび喜びを爆発させた。
準決勝までは序盤で連続四球を与えるなど、立ち上がりが課題だったが、決勝では一、三回を三者凡退に抑えた。直球は150キロに達し、落差のあるスライダーが相手をほんろうした。被安打6、11奪三振。4安打2打点と投打に存在感を見せつけた。
昨夏の岡山大会は、決勝での引き分け再試合で敗れた。1年生ながら登板した西君は3回を投げ2失点。相手打線の勢いを食い止めることができなかった。悔しさを糧に、冬場に長距離を走ってスタミナをつけ、1日200~300球の投げ込みを続けた。
たくましくなったエースは初めて甲子園の土を踏む。「甲子園は届きそうで届かなかった場所。浮足立たず、まずは一勝したい」(沢田紫門)