大阪市福島区の関西将棋会館で行われた第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の一次予選で、里見香奈女流四冠(26)が8日、1回戦で増田裕司六段(47)、2回戦で福崎(ふくさき)文吾九段(58)に相次いで勝ち、3回戦に進出した。3回戦では中田功七段(51)と対局する。
里見女流四冠は6月18日の第90期棋聖戦の一次予選でも男性棋士に勝っており、男性棋士に3連勝となった。日本将棋連盟によると、公式戦で女流棋士が連続3回、男性棋士に勝ったのはタイ記録。
里見女流四冠は島根県出雲市出身。女流将棋界に六つあるタイトルのうち女流王座、女流名人、女流王将、倉敷藤花の四つを保持し、鋭い攻めの棋風から「出雲のイナズマ」の異名がある。
この日、里見女流四冠は、得意の「ゴキゲン中飛車」戦法を連採。2連勝した後、「楽しく将棋を集中して指せたらという気持ちで臨んだのが、かえって良い結果につながったのかもしれません」と話した。十段や王座のタイトルを保持した実績がある福崎九段は終局後、「(私の)完敗でしたね」と、里見女流四冠の実力に感心していた。
里見女流四冠は11日に東京で男性棋士との公式戦が予定されているほか、24日には大阪で第90期棋聖戦一次予選で藤井聡太(そうた)七段(16)と対局する。里見女流四冠は「すごい活躍をしている方なので、しっかり勉強して、自分の中で自信を持って指せたら」と話した。(佐藤圭司)