6日午前3時8分ごろ、北海道胆振(いぶり)地方を震源とする地震が発生し、厚真(あつま)町で震度7、むかわ町と安平(あびら)町で震度6強を観測するなど道内各地が強い揺れに襲われた。政府によると厚真町などで9人が死亡した。同町では大規模な土砂崩れが発生して29人の安否が不明で、救出活動が続いている。このほか道内では家屋の倒壊などに伴い、けが人は約370人に上る。地震の影響で道内のほぼ全域295万戸が一時停電し、市民生活や経済活動に大きな影響を与えている。
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北海道で震度7を観測したのは初めてで、国内では6例目。気象庁は今回の地震を「平成30年北海道胆振東部地震」と名付けた。
北海道庁によると、土砂崩れがあった厚真町吉野地区では12人の無事を確認。町によると、3人が死亡し、4人が心肺停止という。各地で大規模な土砂崩れや家屋の倒壊が発生し、道外からの応援を含め、警察、消防、自衛隊などが約2万1千人、ヘリ51機で捜索救助活動にあたっている。
北海道で震度7、道内の被害状況は
気象庁は6日午後、この日3度目の会見を開いた。午後6時までに余震とみられる地震が震度4が2回、震度3が10回など、計69回観測され、今後1週間程度は最大震度7程度の地震に注意が必要という。松森敏幸・地震津波監視課長は「危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図って」と呼びかけた。
住民が避難する動きも広がり、道庁によると6日夕時点で、厚真町や苫小牧市など48市町村に552カ所の避難所が設けられ、4105人が身を寄せている。
また厚生労働省の調べでは、6日午後3時時点で、349病院で停電が起きており、34の全災害拠点病院が自家発電機で対応。札幌市など33市町村3万255戸で断水が発生している。札幌市清田区の住宅街では液状化現象が発生し、道路に亀裂が入るなどの被害が出た。道教委によると、6日は小中高校など9割超の公立学校が休校した。
交通機関への影響も大きく、JR北海道は6日の始発から全線で運転を見合わせ、札幌市営地下鉄と市電も始発から運転を取りやめた。新千歳空港の6日の発着便も国内線、国際線とも全便欠航となった。国内線については、早ければ7日午前の復旧を目指し、システムを点検している。
今回の地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・7、震源の深さは37キロ(いずれも暫定値)と推定されている。胆振地方で発生した地震としては、統計を取り始めた1923年以降、最大規模となる。
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各地の震度は次の通り。
▽震度7 北海道厚真町
▽震度6強 安平町、むかわ町
▽震度6弱 千歳市、日高町、平取町
▽震度5強 苫小牧市、恵庭市、札幌市北区、江別市、三笠市、長沼町、新ひだか町、新冠町
▽震度5弱 室蘭市、登別市、白老町、北広島市、岩見沢市、南幌町、由仁町、栗山町、石狩市、新篠津村、函館市、伊達市
▽震度4 札幌市中央区、夕張市、美唄市、月形町、当別町、七飯町、鹿部町、森町、壮瞥町、洞爺湖町、長万部町、上ノ国町、乙部町、せたな町、小樽市、余市町、赤井川村、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、倶知安町、深川市、妹背牛町、秩父別町、北竜町、沼田町、芦別市、滝川市、砂川市、奈井江町、浦臼町、新十津川町、剣淵町、旭川市、鷹栖町、当麻町、富良野市、中富良野町、南富良野町、占冠村、留萌市、増毛町、浦河町、鹿追町、新得町、帯広市、音更町、清水町、芽室町、幕別町、池田町、浦幌町、大樹町、釧路市、青森県階上町、青森県むつ市、青森県大間町、青森県東通村