北海道電力は10日、道内ほぼ全域での停電の引き金となった苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所(厚真町、計165万キロワット)が全面的に復旧したと発表した。停止した全3基のうち、復旧が遅れていた2号機(60万キロワット)が午前6時、フル出力で運転できる状態になった。
道内最大の火力発電所の全3基の再稼働にこぎつけたことで、北電は電力需要がピークを迎える冬場に最低限必要な供給力を確保しつつある。ただ、苫東厚真に頼る「一極集中」のリスクは地震前と変わっていない。
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北海道で震度7、道内の被害状況は
苫東厚真発電所は9月6日未明の地震のときには道内の需要のほぼ半分をまかなっていた。2号機はボイラーの配管の交換後、別の設備に不具合が見つかり、試運転を続けながら修復作業をしていた。1号機(35万キロワット)は9月19日、4号機(70万キロワット)は同25日に復旧している。(長崎潤一郎)