札幌市内は全域が停電しており、都市機能がマヒ状態に陥っている。
【最新情報】北海道で震度7タイムライン
【災害INFO】地震が起きたときに役立つ情報など
札幌市内の信号機は一部をのぞき停止している。都心部の大通公園近くの交差点では、警察官が交差点中央に立ち、笛を吹きながら交通整理をしていた。
警察官がいない交差点では、車が一時停止をしながら交差点に進入し、交互に譲り合いながら走っていた。市内では渋滞が発生している。車同士が出合い頭に衝突しそうになりクラクションを鳴らしあう光景もみられた。
北海道で震度7、道内の被害状況は
大通公園の地下を通る市営地下鉄の大通駅は閉鎖されており、入り口はシャッターで閉められたまま。入り口周辺では通勤客らがスマートフォンを見ながら情報収集していた。
市内の会社員男性(42)は、午前7時半から1時間ほど待ち続けた。「そのうち再開すると思っていたが、時間がかかりそう。仕方ないのでタクシーで職場に向かいます」と話す。大通公園駅では、大きなスーツケースを持った観光客らが多く見られた。中国から個人旅行中の3人組みの女性(29)は「地下鉄が走ってくれないとどこにも行けない。楽しみにしていたのに運が悪い」と眉をひそめた。
都心から10分ほどの閑静な住宅街に位置する円山公園駅の入り口でも、利用者が次々に訪れては「閉鎖中」の貼り紙を見て帰っていった。午前9時過ぎに来た市内の無職男性(80)は「ずっと札幌で暮らしているが、これまでは地震で停電しても、2、3時間で復旧していた。こんなに長い停電は初めてだ」と話した。テレビも見られず、スマホも持っていないため情報がまったく入手できないという。「電気がないとこんなに不便になることを思い知った」と話していた。
近くのドラッグストアに勤める店員男性(53)は、停電のためシャッターが開かない店の前で、店の上司に電話で連絡を取っていた。「どうしたらいいのかわからない。とにかく早く復旧してほしい」と、困惑した様子を話した。
市内のコンビニエンスストアやスーパーには、食料品を買い求めようとする客で長蛇の列ができた。一部のコンビニでは店を開けており、入れる人数を制限し手動で手打ちをしながら営業していた。カップ麺や栄養補助食品などを買い物かごいっぱいに買った主婦(46)「停電で冷蔵庫が使えないので生物は控えた。幸いガスと水道が使えるので、復旧まで何とかしのぎたい」と話していた。(斎藤徹)