国連安全保障理事会は17日午前(日本時間同日深夜)、対北朝鮮制裁の実施を巡る緊急会合を開いた。米国は北朝鮮の制裁逃れの実態を調べる北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの中間報告書から、ロシアの関与を指摘した記述が削除されたとして、「ロシアは制裁体制を弱体化させようとしている」と批判した。一方、ロシアは客観性の水準を満たしていなかった当初の報告書に意見を伝えただけだと反論した。
緊急会合は、独立した専門家パネルの報告書が修正されたことを受けて、「危険な前例になる」と懸念する米国が開催を要請した。
ヘイリー米国連大使は、専門家パネルが8月に作成した最初の報告書には、ロシアの制裁違反を示す「証拠」が複数含まれていたと指摘。「先週、安保理に提出された時に深刻な問題が起きていると気付いた。ロシアに関する詳細な記述部分が消えていた」と訴え、ロシアが「証拠」の記述を削除しない限り、中間報告書の公表を妨害すると専門家パネルを「脅した」と非難した。
これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は、専門家パネルの当初の報告書が客観性と公平性の原則に照らして、「水準に達していなかったのでロシアと他国はいくつものコメントを表明した」「誰も制裁体制を弱体化させようなどとはしていない」と反論。米国が自国の現状分析を専門家パネルに押しつけている、と非難した。
朝日新聞が8月に入手した「修…