戦後、一番暑かったこの夏、「日本一暑いまち」でPRしてきた群馬県館林市が最高気温ランキングの上位から姿を消した。地域気象観測システム(アメダス)の観測地点が変わったことも原因のひとつとみられる。「暑いまち」を街づくりに活用してきた関係者は、今後の方向性に悩んでいる。
「ズル林」の汚名返上なるか 群馬・館林アメダス移設へ
館林市は2007年8月、最高気温40度超を2日連続で記録。35度以上の猛暑日が14日続いた。これを機に08年、市は「暑さ対策本部」を設置。温室効果ガスの削減や熱中症対策などを進める一方、暑さを逆手に取ったイベントなど、街づくりにも活用されてきた。
ただ、館林の「暑さ」には、異議もあった。これまでアメダスがあった館林消防署の駐車場は、国道354号が近く、自動車販売店や集合住宅が密集。芝生ではなく防草シートの上にあり、インターネット上などでは「暑くなりやすいのでは」と話題に。「ズル林」と呼ぶ人までいた。
そのアメダスが6月中旬、消防署の移転予定に伴い、県立館林高校のグラウンドに移設。風が通りやすい場所に変わった。注目を浴びたこともあり、気象庁は7月から約3カ月間、新旧アメダスの最高気温の比較を公表。猛暑が続いた7月中旬以降、新しい場所の方が低めで、1度近く差があることもあった。公表の最終日となった1日も、台風一過で気温が上がり、古い方が34・4度、新しい方が33・8度と差がついた。
最高気温ランキングの上位から…