台風21号の強風被害を受けた大阪市の目抜き通り「御堂筋」のイチョウ並木の復旧作業が難航している。東京五輪の会場整備や各地で多発する自然災害で需要が高まり、市場の品薄さに拍車がかかっているとみられるためだ。
今月2日、深夜の御堂筋では冬の風物詩「御堂筋イルミネーション」に向け、街路樹に電飾を取り付ける作業が始まっていた。工事の現場責任者の男性(49)は「無傷のイチョウは1本もない。電飾を巻くのが気の毒」と漏らした。
台風21号が近畿地方を直撃したのは9月4日。大阪市内では観測史上3位となる最大瞬間風速47・4メートルを記録した。市建設局によると、御堂筋ではイチョウ972本のうち約80本が倒れたり、枝や幹が折れたりした。1カ月経った現在でも、折れた幹がそのままの場所もある。台風の災害ごみなどで廃棄物処理場が満杯で、処分できないという。
本格的な復旧に向けて大阪市の…