日本銀行は22日公表した「金融システムリポート」で、バブル経済崩壊以降で、金融活動の過熱感が最も高まっている、との試算を明らかにした。日銀の大規模な金融緩和で超低金利が続くなか、金融機関は収益拡大のため新たな貸出先を求めている。ただ、リスクがあるのに低金利で貸しているケースもあるとみて日銀は警戒している。 リポートは日銀が春と秋の年2回まとめている。現状は1980年代のバブル期のような行き過ぎた過熱感はみられず、金融システムの安定性にも問題はない、という従来の判断を維持した。ただ、「金融機関が楽観的な見通しだけで行動しないか、注視していく必要がある」(金融機構局)とも指摘した。 地域金融機関に実施したアンケートでは、「(不採算企業に対する)貸出金利が信用コストに見合っていない」と回答した割合が5割近くにのぼり、貸し倒れなどのリスクが高めの先でも、低金利で貸し出している実態が浮き彫りになった。 日銀は景気悪化時に銀行が保有株で損失を被るリスクも指摘。リーマン・ショック級に景気が悪化した場合、貸出先企業の業績悪化による信用コストの増大に加えて保有株式の損失などで、地銀の財務の健全性を示す「コア資本比率」を2・3%幅悪化させるとの試算も示した。(湯地正裕) |
金融の過熱感、バブル後で最も高い 日銀リポートで指摘
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