7月の西日本豪雨で、京都府京丹波町の集落の住民らがとった避難行動に、専門家が注目している。町が指定する避難所にたどり着けず、集落の行事で使う「お堂」に一時避難して全員が助かった。浮かび上がったキーワードは「100点を目指さない避難」だ。
ドンドンドン。7月7日午前6時、同町の渓流沿いにある上乙見区の東三喜(あずまみき)さん(50)宅の玄関を地元の消防団員がたたいた。「すぐ自分の車で出られる?」
長男(14)と車に乗り込んだ東さんは、自宅前の清流が泥濁りして大きくうねっているのを見て驚いた。
細い道には川から水があふれて…