エンストしにくく、変速のショックも起きにくい――。コンピューター制御で運転をサポートする「賢い」マニュアル車をトヨタ自動車が売り出した。電動化に自動運転と、「手動」とは縁遠くなるばかりのこの時代。マニュアル車に未来はあるのか、ふだんからマニュアル車を愛用する記者が乗って確かめた。 【特集】トヨタ自動車 カローラスポーツに初採用 名前の「インテリジェント・マニュアル・トランスミッション(iMT)」は直訳すれば「賢い手動変速機」といったところ。トヨタが2016年に小型SUV(スポーツ用多目的車)「C―HR」の欧州向けで初めて採用し、国内向けは6月に発売した新型車「カローラスポーツ」の1・2リットルターボ車に初導入した。 1966年に発売された初代カローラと「同学年」というチーフエンジニアの小西良樹さん(51)は「いまのカローラのメインユーザーは60、70代。次の50年に向けたファーストバッターとして、もう一度若い方に乗ってもらえるように意識した」。そのため、「車を操る楽しさを味わってもらえるように」とマニュアル車も設定したという。 6月発売のオートマ車から少し遅れて、8月からマニュアル車が設定された。9月下旬、「トヨタカローラ中京」の本社・吹上店(名古屋市千種区)で試乗車を借りた。 iMTの機能は、発進時のサポートと変速時のサポートの二つに分かれる。運転席に座ったかぎりでは普通の6速マニュアル車に見えるが、クラッチペダルやシフトノブの動作をセンサーで察知すると、エンジンの回転数をその時々に最適な状態にコンピューター制御するという。 ■発進、まるでオー… |
あえてのマニュアル 新・カローラスポーツに乗ってみた
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