井山裕太名人(29)に張栩(ちょうう)九段(38)が挑戦し、3勝3敗で最終局を迎えた第43期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第7局が1日、静岡県河津町の旅館「今井荘」で始まった。
囲碁名人戦第7局をタイムラインで観戦
定刻の午前9時、先後の手番を決める「握り」が改めて行われ、名人が先手の黒番になった。
15手目、名人は38分の長考で左上隅の相手の星の懐に飛び込む三々へ、次いで左下隅も同様に三々入りし、四隅すべてを占める実利先行の作戦を選ぶ。さらに上辺の白陣にも潜入して領地を稼いだ。対して挑戦者は上辺と下辺に雄大な勢力を築き、対抗した。
右下隅の挑戦者の白50に対し、名人はまたも長考に沈み、48分考え正午の昼食休憩に入った。ここまでの考慮時間は名人2時間32分、挑戦者28分と、2時間以上の差がついている。
解説の本木克弥八段は「名人が序盤から稼ぎまくっています。右下隅は、名人の打ち方次第で戦いになる可能性もあります」と話した。(大出公二)