沖縄県の玉城デニー知事は6日、首相官邸で菅義偉官房長官と会談した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、玉城氏が1カ月間工事を止めた上での集中協議を求めたのに対し、菅氏は工事は止めないが、協議には応じる意向を示した。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
玉城氏によると、玉城氏が「対話により何らかの策を講じることはできるのではないか」と要請。菅氏は「工事は止めずに進める。だが話し合いの場はつくる」と応じ、謝花喜一郎副知事と杉田和博官房副長官が今後1カ月間、協議することで合意した。
辺野古沿岸部の埋め立て工事は、県による埋め立て承認撤回で中断されたが、防衛省の効力停止の申し立てを石井啓一・国土交通相が認め、1日に再開された。県はこれを不服とし、法定期限の今月末までに国地方係争処理委員会へ審査を申し立てる予定で、それまでの話し合いになる。
菅氏は2日の会見で「普天間飛行場をどうするかという対案は(辺野古移設以外に)現実的にはない」と述べ、安倍政権は移設を推進する考え。岩屋毅防衛相は今週末に沖縄を初訪問し、10日に玉城氏と会談して移設への理解を求める。(山下龍一)