米国で最も権威のある文学賞の一つ「全米図書賞」が14日発表され、ドイツ在住の作家、多和田葉子さん(58)の「献灯使(けんとうし)」が、今年から加わった翻訳文学部門で選ばれた。
多和田さんは1960年東京生まれ。1982年からドイツで暮らし、日本語とドイツ語の両方で小説や詩を発表してきた。93年「犬婿入り」で芥川賞、2011年「雪の練習生」で野間文芸賞。16年にドイツの権威ある文学賞、クライスト賞を受賞。
「献灯使」は、大災厄を経て「鎖国」を決めた近未来の日本が舞台。老人は健康で死なず、子どもは病弱で長生きできないディストピア小説。14年に講談社から刊行、英語版はマーガレット満谷(みつたに)さん訳で今年刊行されていた。
一時帰国中の多和田さんは受賞…