ネットカフェ、メイドカフェ、ネコカフェ。カフェにも色々あるけれど、「宿題カフェ」って?――。その名前が気になり、現場へ行ってみた。
「こんにちは!」
大阪市東淀川区の商業施設の一角。午後4時半、10人ほどの小学生がにぎやかに入ってきた。床にぺたんと座り、かばんから取り出してテーブルに置いたのは、算数のプリントや漢字ドリルなどの宿題だ。
すぐに「できた!」と声をあげる子もいれば、持ってきたおやつをのんびりと食べる子も。先生役を務めるのは教育関係の仕事を志す高校生や大学生らボランティア。子どもたちは宿題を終えればスタンプを押してもらい、その数に応じてテレビゲームで遊ぶこともできれば、通常は有料のお菓子やジュースをもらうこともできる。これが「宿題カフェ」と呼ばれるゆえんだ。
先生役の大阪工業大生、大武(おおたけ)みなみさん(19)は「自由な雰囲気がいい」という。「周りがやっていたら、『やらなきゃ』と思うでしょう」。小学3年生の長男(8)を送りに来た母親(44)は「宿題を終わらせたかどうか、気にしなくて良いのは助かります」と話した。宿題カフェのねらいは、ズバリそこにある。
発案したのは朝日新聞販売所「ASA淡路・豊里」の本川(ほんかわ)誠所長(41)。4人の娘を持つ父親として、販売所で発行するミニコミ誌に子育てコラムを掲載してきた。すると子育ての相談が寄せられるように。親子の会話が少ないことが、共通する問題と感じた。
共働きの家庭では親子の時間は…