京都府宇治市の平等院と資生堂が、藤の香りの香水(税込み2500円)とハンドクリーム(税込み1千円)を共同開発し、今月から平等院のミュージアムショップで売り出した。香水は5千個、ハンドクリームは1万個の限定販売。20日には発売記念のトークイベントがあった。
春になると、平等院では樹齢約300年の4株の藤が無数の花房をつけ、芳香に包まれる。象徴的な香りを商品化しようと、平等院が資生堂に打診。約5カ月かけて開発し、「藤の香」と名付けた。
資生堂は100年前の1918年に香水「藤」を発売した。下部は印籠(いんろう)、ふたはかんざしを模したボトル入りで、記録によると「重厚な香り」だったとされる。
今回は、線香に使われる白檀(びゃくだん)の成分も加え、平等院ならではの香りに仕立てたという。パッケージには、浄土に咲くとも言われる架空の草花「宝相華(ほうそうげ)」をあしらった。
平等院で開かれたトークイベントでは、資生堂企業資料館の学芸員、丸毛敏行さんが「元気になって、しばらくたつと気持ちが落ち着いていく香り。極楽浄土への思いを込めています」と語った。(小山琢)