ご当地検定の走りとして知られる「京都検定」が始まって、今年で15年目になる。長続きせずに消えていく検定も多いなか、全国有数の規模の受験者数を誇る。東京会場も加え、昨年まで8年連続で受験者が増えている。支えるのは根強い京都ファンだ。
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正式名称は「京都・観光文化検定試験」。文化や歴史の継承、観光の振興や人材育成を目的に、京都商工会議所(京商)が2004年に始めた。試験は年1回。1級から3級まであり、のべ10万人以上が受験した。今年は12月9日に京都と東京で試験がある。
ピークの05年には1万2千人を超える受験者がいたが、09年には約5千人まで減った。そこで、受験会場に東京を加えるなどのテコ入れ策を打ち出した。すると、10年から8年続けて前年より受験者が増加。昨年は7560人が挑んだ。
京商会員部の植村章弘部長は「インバウンド効果で関心が高まっていることに加え、近年の観光客増で、もてなす側にも京都の歴史を深く知りたいとの機運が高まり、改めて検定が注目されている」と分析する。
NPO法人「全国検定振興機構」(東京)によると、09年に全国で135あったご当地検定は、13年に77まで減った。受験者減で中止に追い込まれる検定も出るなか、京都検定の規模の大きさは群を抜く。
京都検定に興味を持つ人たちの交流の場をつくろうと、京商が6月に都内で開いた集いには、受験経験者ら約120人が集まった。
ともに1級に合格経験のある「京都観光おもてなし大使」の塩原直美さんや、旅行企画会社「らくたび」(京都市中京区)社長の山村純也さんがゲストで登場。受験時の苦労話や京都への思いを語った。後半は参加者同士でお気に入りの京都スポットを披露したり、今年の試験に向けて健闘を誓いあったりした。
5年前に2級に合格した東京都…