日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は19日、都内での講演後の質疑応答で、前総裁の白川方明(まさあき)氏が最近記した著書への見解を問われ、「日銀は1998年から2013年までデフレ脱却に失敗し、物価安定を維持できなかった」と指摘。デフレの原因は様々だとしつつも、「中央銀行は物価安定を中長期的に実現する責任がある」と述べた。「金融政策だけでデフレは解決できない」と主張する白川氏に反論した形だ。
黒田氏はさらに、白川氏の退任後に自らが手がけた大規模な金融緩和について、「2%の物価安定目標は達成できていないが、5年続いている金融緩和が失敗だったというわけではない」と主張。景気回復や雇用改善などの点では、「成功している」とした。
黒田氏の前任の白川氏は、13…