高速道路建設や関西空港の防災機能の強化に、政府の財政投融資(財投)が活用される方向になった。政府のインフラの緊急点検結果を踏まえ、防災・減災対策に重点を置いた措置になる。
国土交通省は30日、高速道路や関空に財投資金1兆1500億円を使うよう財務省に要求したと発表。財務省は12月にまとめる来年度の財政投融資計画に盛り込む方向で検討する。
具体的には、対面通行区間の高速を片側2車線化して災害時でも交通機能を復旧しやすくするほか、新名神高速道路の亀山西ジャンクション(JCT、三重県)―大津JCT(滋賀県)の41キロを6車線化して物流の効率を高める。9月の台風被害で一時閉鎖された関空では、護岸のかさ上げや電源設備の浸水対策などをする。
財投を使うことで、資金調達の固定金利が年1・3%に抑えられる見通し。1兆円を借りる独立行政法人、日本高速道路保有・債務返済機構は40年間で7千億円、1500億円を借りる新関西国際空港会社も270億円程度の金利負担を減らすことができ、浮いた分で事業を進められるという。
財投は、国の信用力を生かし市…