勝ち負けだけではないスポーツの魅力に迫ろうと創刊された無料季刊誌「スポーツゴジラ」がこの秋、40号を迎えた。ノンフィクション作家の長田渚左(おさだなぎさ)さん(62)が編集長を務め、体罰や戦争、原発など、スポーツ誌としては一風変わった特集を組んできた。「スポーツを通して人間を見つめていきたい」。長田さんの目標は100号だ。
雑誌は上着のポケットにも入るA6判、約50ページ。最新刊の40号は「スポーツ科学がもたらす変化」を特集した。「体重が軽い方がジャンプを跳ぶのに有利だ」と思い込んでいたフィギュアスケートの宮原知子選手に食事の重要性を説いた管理栄養士のインタビューを巻頭で紹介し、睡眠と選手のパフォーマンスの関係についての論考を掲載した。
創刊のきっかけは、2002年に早稲田大学であったシンポジウムだった。元サッカー日本代表監督の岡田武史さん(62)の長所を伸ばす指導法などに関する講演を聞いた学生たちが、「貴重な機会を得ることができ、早稲田に入って初めて良かったと思えた」と話すのを耳にして、どうしたらより多くの若者にこうした話を届けられるか考えた。
周囲からは「今どきの学生は活…