小型自販機に硬貨を入れ、レバーを回すと出てくるかわいい玩具。そんな「カプセルトイ」の世界に、九州の伝統工芸品や、名産品などをモチーフにしたフィギュアが相次ぎ登場している。現地でしか手に入らない希少性も、観光客らの心をくすぐるようだ。
11月初め、福岡市内であった伝統工芸品の祭典「KOUGEI EXPO IN FUKUOKA」。会場の一角に置かれた自販機から、手のひらサイズの博多人形をゲットした福岡県太宰府市の男性会社員(52)は「つくりが精緻(せいち)で、小さくても満足する出来栄え」と喜んだ。
金色のカプセルに入った中身は、菅原道真公や恵比寿さま、お福さんなど9種類(約5センチ)で、1個1万円。博多人形商工業協同組合青年部の若手作家が企画した。昨年、今年1月に続く試みで、計100個作った。
青年部会長で博多人形作家の西山陽一さんは「昔に比べ、博多人形の需要は伸び悩んでいる。手軽な形で本物の良さに触れ、興味を持ってもらえたら」。
佐賀県唐津市のJR唐津駅近くの呉服町商店街。唐津焼の器で地酒や名産品を味わえる飲食店「唐津ちょこバル」の店頭に今夏、唐津焼が当たる「唐津焼ガチャ」(1個500円)が登場した。約20人の中堅・若手作家が制作した唐津焼のぐいのみやはし置きなど、小ぶりな商品がカプセルに入っている。中には1万円相当のプレミアムな商品もあり、お得感満載だ。
昨年まで、商店街で陶芸家が作品を展示即売するゴールデンウィークの「唐津やきもん祭り」の間のみ出していたが、年中楽しめるようにと、祭り実行委員会が常設した。
呉服町商店街代表理事の坂本直樹さんは「やきものの産地の中でも、唐津焼は勢いがある一つでは。伸び盛りの若手作家の名を知ってもらえる機会になるし、ファンになってもらえれば作陶の励みになるはず」。
「限定」といえば、JR九州エ…