(バスケットボール全国高校選手権24日〈2日目〉、女子2回戦・昌平〈埼玉〉68―72長崎女)
初出場の昌平でひときわパワフルなプレーを見せたンドカ・ジェニファ(3年)が、バスケットボール人生に終止符を打った。大学ではラグビーボールに持ち替え、女子日本代表をめざす。
身長は166センチと小柄だが、ナイジェリア人の父親譲りで身体能力が高く、自分より二回り近く大きな選手にぶつかられてもはね返す強さがある。兄のボニフェイス(22)もサッカーJ2水戸の選手だ。
昨年、過去に全国優勝をしている同校男子ラグビー部を率いる指導者に「やってみないか?」と声をかけられたのがきっかけで、ラグビーに興味を持つことに。誘われるまま日本代表ジュニアのテストを受けてみたところ、今年9月に行われた女子セブンズユースの合宿に招集された。これをきっかけに、高校卒業後は女子ラグビーに転向することを決めた。バスケでは考えもしなかった日本代表になることが、次の夢だ。
「バスケ人生の集大成」と位置づけた今大会、ンドカは1、2回戦とも先発出場し、自分より10センチ以上身長が高い相手にも臆さず競り合った。2回戦でリードを許したまま試合終了のブザーを聞くと、「やっぱり寂しさも悔しさもある」と涙ぐんだが、「目標にしていた全国の舞台に仲間と来られてよかった」と達成感もにじませた。
高校卒業後は、流通経済大のラグビー部で新たな一歩を踏み出す。「バスケで培ってきたステップや守備の力は生かせる部分だと思う。決して甘くない世界だというのは覚悟しているので、一つ一つラグビーの技を身につけていきたい」(松本麻美)