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第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が19、20日、名古屋市で行われ、行方尚史八段と藤井聡太七段がそれぞれ1、2回戦を勝ち、ベスト4入りを決めた。対局は公開で行われ、多くのファンが熱戦を見守った。
藤井聡太七段、研究の手が実る 朝日杯1回戦・観戦記
藤井七段「準決勝の大舞台、思いっきり全力でぶつかる」
本戦1、2回戦の「名古屋対局」は両日とも名古屋市港区のポートメッセなごやで行われた。壇上に設置されたテーブルに盤駒が置かれ、棋士は椅子に座って対局する。ファンは同じ部屋で開始から終局、感想戦の様子まで観戦できる。終盤は、しんと静まった部屋で記録係の秒読みの声だけが響き、独特の緊張感を味わえる。
19日午前の久保利明王将―屋敷伸之九段戦は、久保が得意の「ゴキゲン中飛車」戦法を用いて熱戦を制した。行方尚史八段―菅井竜也七段戦は、菅井の中飛車に対し、行方が金銀の厚みで押さえ込みに成功し、押し切った。
藤井聡太 名人への道
朝日杯将棋オープン戦の本戦2回戦で対局する久保利明王将(左)と行方尚史八段=2019年1月19日午後2時、名古屋市港区、上田潤撮影
午後の久保―行方戦は、久保の中飛車に行方が居飛車から急戦を仕掛けた。さばきを得意とする久保に対し、行方は重く厚い攻めで飛車角を押さえ込むことに成功。図1は行方が奪った角を△7七角と打ち、久保が▲7四とと引いたところだ。
図1・▲7四とまで
ここから行方が豪快に攻める。△8五飛▲同歩△5九角成▲同金△9五角▲4九金△7九飛。飛車を切って5一の角を攻めに参加させ、先手玉を一気に攻略した。直近は久保に3連敗していた行方は「久保さんに一方的にさばかれる将棋が続いていたので、久々にちゃんと戦えた」。優勝した第1回大会以来11年ぶりの準決勝に向けて「次も公開対局なのでファンに楽しんでもらえるような将棋を指したい」と話した。
本戦2回戦を戦う藤井聡太七段(左)と糸谷哲郎八段=2019年1月20日午後2時、名古屋市港区、上田潤撮影
20日午前は、本戦1回戦の佐藤天彦名人―糸谷(いとだに)哲郎八段戦と稲葉陽(あきら)八段―藤井聡太七段戦が行われた。
佐藤―糸谷戦は、角換わりから…