第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が28日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、千田翔太六段(24)が1回戦で羽生善治九段(48)、2回戦で渡辺大夢(ひろむ)五段(30)に勝って、準決勝に進出した。1次予選から勝ち上がり、初めてのベスト4入り。優勝経験者3人に交じって初の栄冠を目指す。 渡辺五段が同年対決制す 朝日杯は持ち時間がそれぞれ40分、切れると1手1分の秒読みとなる。前王座の中村太地七段(30)と渡辺大夢五段(30)による1回戦は午前10時に始まった。王座のタイトルを持っていた中村は本戦シード、渡辺は1次予選、2次予選を5連勝して初めての本戦となる。2人は過去に1度、新人王戦トーナメントで対戦したことがあり、そのときは渡辺が勝っている。 本局は渡辺の先手で角換わりの戦型に。渡辺が仕掛け、中村が反撃する展開で激しい攻め合いとなった。終盤、双方1分将棋の中、中村が決め手を逃したあたりから混戦に。A図は、△7六竜からの先手玉の詰めろを防ぎつつ渡辺が▲5四角と攻防に打ったところだ。中村はここで△7四竜と馬を取ったが、これが失着。以下▲同銀成△7六銀▲6六玉で先手玉が寄らなくなった。A図では△4五銀と攻防に打って先手玉を縛っておけば中村の勝ちだった。 勝ちを逃してからも中村はぎりぎりまで迫ったが、打ち歩詰めで先手玉が逃れる筋があって詰めろが続かず、力尽きた。感想戦で中村は「先手玉を上に逃がしたのがひどかった」と後悔しきりだった。 ■羽生九段に誤算、初戦で… |
千田六段ベスト4、心理的余裕が好結果に 朝日杯将棋
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