将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)が10日、大阪市の関西将棋会館で指された第49期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負の第1局で出口若武(でぐちわかむ)三段(23)に勝った。2月の朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)での優勝に続く、2回目の優勝まで、あと1勝と迫った。第2局は17日午前10時から、関西将棋会館で指される。
藤井七段にとって、「六段以下」が参加条件の一つの新人王戦は、今回がラストチャンス。16歳の藤井七段が優勝すれば、第18期新人王戦(1987年)で森内俊之九段(48)=当時四段=が17歳0カ月で優勝した時の新人王戦優勝最年少記録を31年ぶりに塗り替えることになる。
決勝三番勝負とあって、立会人がいて、午後2時半にはおやつのショートケーキが両者に運ばれるなど、特別な舞台設定。両対局者とも、公式戦の番勝負は初めて。
新人王戦は羽生善治(はぶよしはる)竜王(48)や佐藤天彦(あまひこ)名人(30)も優勝した一流棋士への登竜門。「26歳以下」かつ「六段以下」という条件を満たす若手棋士のほか、プロ棋士養成機関「奨励会(しょうれいかい)」の三段の成績優秀者らも出場できる。
出口三段は、公式戦で対藤井七段戦で4勝1敗の実績から「藤井キラー」と称される井上慶太九段(54)一門。澤田真吾六段(26)らに5連勝して決勝に進出した。(佐藤圭司)